(80) 理無尽な要求

「【リムジン】書け。」 「漢字? ムリ。」
 [りむじんかけ かんじむり]

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 3つ前の「漢字クイズです」について書きます。またか。今回で最後です。

 回文を作ったら、それがちゃんと回文になっているかどうか確認するために、必ず逆さから読んでみるわけですが、「漢字クイズです」をひととおり作ったあと逆さ読みをしてみたところ、いつもは感じないような妙な快感を覚えたのです。「逆さから読んで同じだ!」という、回文作ったんだから当たり前のはずの事実になぜか興奮しました。自分の回文で、逆さから読んでいてあれほど楽しかった回文はほかにありません。(自分以外の方にとってはどうだったんでしょうか? ちょっと不安ではありますけど。)

 「逆さから読んで同じだ!」というのは、回文の面白さの根本ですよね。でも、回文をたくさん作ってると、逆さから読んで同じだ!は単なる大前提、当たり前のことになってしまって、だんだんその面白さに無感覚になってしまいます。それは当然のことで、そうしたら新しい面白さを求めて先へ進めばそれでよいんだと思いますが、それでも足元はちゃんと、逆さから読んで同じだ!においておきたい。その面白みを外れる場合も、外れ具合を意識するようにはしていたい。せっかく回文なんですからね。

 「漢字クイズです」は、初心を思い出させてくれるよい回文なのでした。