(78) 超難読漢字

「夢世」と書いて「かていか」と読む。
 [むよとかいてかていかとよむ]

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 前回の「漢字クイズです」は、もう1年以上前に作ったネタです。しょーもないといえばしょーもないネタなんですが、あれは自分の回文作りにおける一つの転換点なのです。
  転、転換点? 転換点て?
という声がどこからとなく聞こえたのでお答えしましょう。
 回文を作るときは基本的に、ある言葉に着目して、それをひっくり返すところがスタートになります。と解説するまでもなく、回文を作ろうと思ったら自然とそうなりますよね。『罅ワレ』の回文もほとんどがそうやって作られてます。一方、ある言葉からスタートするのではなくて、まずストーリーを先に大雑把に決めておいて、そのストーリーに登場すべき言葉を継ぎはぎしながら回文を組み立てる、というのもあります。『罅ワレ』には少ないですが、例えば(44)が典型です。
 で、「漢字クイズです」はどうかというと、そのどちらでもない!のです。「漢字クイズ」っぽい回文、というストーリーからスタートしたんじゃないかと言われると、そう言えないこともないですが、自分の意識では少し違っていて。あれは「出題者の言葉が逆さ読みで解答になる漢字クイズ」という「型」が先にあって、それに合うように回文を作った、という感じなのです。言葉でもストーリーでもなく「型」。そんな作り方はしたことがなかったので、自分にとってはなかなかの事件だったのです。
 (35)なんかも型ありきの回文と言っていいかもしれないです。「もとい」が出発点なので言葉からスタートしたとも言えますが、「A、もとい、A'」という型にまず注目したので。結果、かなり普通でない回文になったので、型から始める効果を大いに感じましたことよ。
  出た、佳作! いざ行くさ、型で!
……これはストーリーから作ったやつ。