(73) 空色のカーテン

「夜やネ、昼もネ、モルヒネ、やるヨ。」
  ↓
 (打とうとしたっ! ……打ったし、とうとう!)
 [よるやね ひるもね もるひね やるよ]
 [うとうとしたっ うったし とうとう]
(つづく)

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タイトルは相変わらずテキトー。


余白埋めに、モルヒネの話でもしましょう。

ある朝、電車の中ではたと気がつきました。モルヒネのその完全無欠なフォルムに。「モ」のあと「ル」でさらに「ヒ」でもって「ネ」ってすごいなこいつは。絶対にものにしたい。私の脳の中で最初に作り上げられたのは

  寝る日もなく遊ぶ粗悪なモルヒネ

……これはキタ! とネタ帳に書き写して、意気揚々と逆さ読みしてみる……みたら、「ネヒルモ」!? よくあるパターンです。ちょっと落ち込みますが、どうにかならないかと弄ってみます。まずはネジレを直すと、

  ネヒルもなく遊ぶ粗悪なモルヒネ

意味が分かりません。ちょっと伸ばしてそれなりに意味を通じさせると、

  夜やね昼もなく遊ぶ粗悪なモルヒネやるよ。

「夜……るよ」は典型すぎますが、「昼も」が共存すると少しベタさが薄らぎますねえ。でも「ね」が浮いているなあ。対応を考えると「昼も」にも「ね」がついてるといいかもしれない。

  夜やね、昼もね、なく遊ぶ、粗悪なね、モルヒネやるよ。

とか。……リズム悪い。そもそも全体に日本語がおかしいです。ここはいっそ、まん中を削ってしまう。

  夜やね、昼もね、モルヒネ、やるよ。

ということで、前回のができたわけですけど……。もう少しなんとかできそうな気が。いつの日かモルヒネを美しく新鮮な回文に仕上げて見せようぞと、密やかな夢を見ております。