(129) 副助詞の用法

歯痛がキツく、馬肉とか鶏とか特にバクつき難い歯。
 [はいたがきつく ばにくとかとりとかとくにばくつきがたいは]

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 金子正子チームリーダー率いる日本シンクロチームが優勝すれば、「金子正子、金」だったなあ、と考えていた皆さんこんばんは。お元気ですか。
 フジテレビの深夜アニメ枠「ノイタミナ」の名前の由来を今さら知って、なぜ気付かなかったかと愕然としております私です。

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 回文を作る際、副助詞って意外に大事だなあと思っております昨今。回文を作り出してから、副助詞ってのが何物なのかやっと理解されてきた。ような気がする。
 大昔に書きましたが、回文の特徴として、格助詞が脱落しやすい、というのがあります。格助詞ってのは、文節の終わりについて、その文節が文章の中でどういう「格」を持っているかを示す助詞ですね。
  回文が君を幸せにする。
の「が」「を」です。副助詞はというと、格助詞の前か後ろについて、意味に色をつけます。たとえば限定を表す副助詞「だけ」を上の文の文節につけてみると、
  回文だけが君を幸せにする。
  回文が君だけを幸せにする。
となります。
 副助詞をつけると、格助詞がときどき省略されます。
  回文が君だけ幸せにする。
と「を」を略しても、不自然には思われません。副助詞と格助詞の組み合わせによっては、格助詞が必ず省略される場合もあって、
  回文さえ君を幸せにする。
とか。「回文さえが」とするとキモいですね。
 ということは、回文を作っていて「ここに格助詞が欲しいんだけど上手く行かないなあ」という状況になったら、代わりに副助詞をいろいろ考えるとよさそうです。「しか」「のみ」「など」「こそ」とかいろいろ。そうすると、格助詞が脱落していても不自然でない文が出来たりして、非常にいい感じです。
 上掲の回文の「馬肉とか鶏とか特に……」の部分は、よく見ると「とか」を落として「馬肉・鶏、特に……」としても全体が回文になりますが、これだと格助詞が抜けていて不自然です。一方、副助詞の「とか」(辞書を見ると副助詞とは書いてないけど、役割はほぼ副助詞だと思われる)が入っていると、それほど不自然に見えない。副助詞パワー。
 と副助詞について大袈裟に述べましたが、ことさらに言わなくたってそんなん自然と身につくわいな、という程度の話ですなこれは。