(176) 遺言と遺言

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「『すんごい有為』という遺言スか?」
「バカ、『すんごい有為』という遺言ス。」

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大辞林より抜粋:

ゆいごん【遺言】 自分の死んだあとの事について言い残すこと。また、その言葉。
いごん【遺言】[1]「ゆいごん(遺言)」に同じ。[2]〔「ゆいごん」の法律上の読み方〕人が自分の死後に効力を生ぜしめる目的で一定の方式によってなす単独の意思表示。法律上その内容として、認知、相続人の廃除、相続分の指定、遺贈などが認められている。
ゆうい【有為】 才能のあること。役に立つこと。また、そのさま。
うい【有為】 〔仏〕 さまざまの因縁によって生じ、常に生滅し永続しないすべての物事・現象。有為法。


 kawaharさんの回文に「ホルス擦る帆」というのがありまして、読みが「ほるすするほ」でも「ほるすこするほ」でも「ほるすさするほ」でも「ほるすなするほ」でも回文になる、という怪しい試みなのですけれど、これを2語にわたってやってみた、というのが標記の回文。意味はよく分からないけど。

 1人目の発言の「有為」と「遺言」の読みをそれぞれ確定させると、2人目の発言の読みも決まる、という状況になっております。このとき、普通に考えると回文全体の読みは2の2倍で4通りになりそうですが、真ん中の「バカ」が効いて、文意を考えると2通りの読みしか許容されません。「バカ」を外すと4通りに増えます。……ほんと?

 「遺言」には「いげん」ていう読みもあるらしいですが、そう読んでしまうと台無しです。「凄い」という表記を「すんごい」「すんげい」と読んでいいとあなたが認めるなら、上記回文の「すんごい」を「凄い」と書き換えることで、また奇怪さが増しますけれど。あなたが認めても私は認めません。


 おまけに、またGoogle検索の話ですが、「回文」で検索すると、このブログが7位に出てきますね(2009年2月26日現在)。いつの間にそんな位置に来たんですか。ちょっと前までは50位くらいだった気が。明らかにアンビグラムのおかげなんですけど、まあ喜んでおきます。