(137) 五・七・五3

椎の実や庭の木葉に闇の秘し
 [しひのみやにはのこのはにやみのひし]

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 島村桂一氏の回文作成ルールは面白いです。その著作『さかさコトバ 回文遊び大辞典』(東京堂出版)の第1章の註(七)に、

回文の規則は、一般に「清濁の区別なし」と言われている。しかし、私は、
  (A) 歴史的仮名遣い  清濁の区別なし
  (B) 現代仮名遣い   清濁の区別あり
と区別を立て、回文を作る際の原則としている。

とあります。「清濁の区別なし」というのは、濁点を無視して「か=が」と考えるルールのことです。このルールの根拠が、日本語の昔の一般的な表記法にあると考えれば(そう考えるのがいちばん自然ですよね)、上記の原則はとても自然、実に明快です。この註(七)はみなさん必読です。読んでおくように。
 筋の通ったルールは美しいなあ。だれか「す」を無視するルールを使ってください。