(127) なんて虐待を

蹴った犬を小さく切るか煮て、果てに、カルキ臭い血を抜いたっけ。
 [けったいぬをちいさくきるかにて はてに かるきくさいちをぬいたっけ]

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 強く主張しておきますが、フィクション。


 「を」ってのは、回文では若干扱いに困る文字であります。現代仮名遣いではこいつは基本的に格助詞「を」としてしか使われないので、回文のある箇所に助詞「を」を使うと、自動的に反対側の「を」も助詞として使わざるを得なくなります。この制約はちょっと厳しいのです。回文内に助詞「を」を使いたくなるケースは多いんですが、たいてい上手くいきません。
 これはもちろん、文字ルール(「回文とは、文字を逆から辿っても同じになる文」)での話ですけどね。音ルール(「回文とは、音を逆から辿っても同じになる文」)では、「を」と「お」が同じになるので、「を」の困難はなくなります。
 このブログでは厳格な文字ルールを採用しているために、「を」の困難をもろに被っていますが、それを緩和する手立てとして、音ルールを借用して、「を」だけは「お」と同一視してよい、とするのは一つの手だと思います。助詞の「は」と「わ」などは同一視せずに、「を=お」だけ認める。これだけで、格段に回文の幅が広がると思われます。このブログでの厳格な文字ルールに一つだけ規則の緩和を許すとしたら、躊躇なく「を=お」を採ります。……いや、「拗音=清音」かなあ。どちらにしようかな。
 まあそんなことするつもりはないんですけど。