(119) 回文と推移律
悪くつたねえネタ作るわ。
[わるくつたねえねたつくるわ]
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前回の回文へのツッコミ。
「推移律」というのは数学用語で、
A=B, B=C ⇒ A=C
という、等号のもつ自然な性質のことですが、回文のルールにこれを持ち込むとどうなるかという話。
たとえば、ある流儀だと、
尽くす
が回文になります。これは、
す=ず (濁点は無視できる)
=づ (音が同じだから)
=つ (濁点は無視できる)
という、きわめて論理的な推論からの帰結であります。「か=が」というルールと、「ず=づ」というルールを認めるなら、当然「す=つ」となるべきであろう、ということ。
推移律に基づくこの等式は、もう少し進めることもできます。
す=ず (濁点は無視できる)
=づ (音が同じだから)
=つ (濁点は無視できる)
=っ (小さい字と大きい字は同じ)
というわけで、「す=っ」というルールが出ます。
ポスカが闊歩。
とか。ポスカって懐かしいな。
まだ行けますよね。
す=ず (濁点は無視できる)
=づ (音が同じだから)
=つ (濁点は無視できる)
=っ (小さい字と大きい字は同じ)
=… (促音は無視できる!)
ということで、推移律によって、「す」は無視してよい、という結論が得られます。やったー。たとえば
すぐスイスに行く。
は回文です。知らない人には何がなんだか分からないでしょうが回文です。というルールを採用している人は世の中にいるでしょうか。いたらかなり素晴らしいと思います。
ほかに、推移律を使ったルールで、昔から妄想してるもの: 「ん」の読み方は「ランマ」「ランス」というときは「n」で「ランポ」というときは「m」です。したがって、音ルールでは、「n」と「m」が同一視されるのだと考えることができます。すると、「no」と「mo」とかも同一視すべきだということになって、たとえば
医師、物々しい。
が回文になります。
山本モナや。
も回文です。……えー。悪くつたねえネタ作るわ……。で、これと、学校の古典文学の時間に習うところの「む」を「ん」と読むというルール、及び、「ん」は無視できるというルールを組み合わせると、
「ぬ」は無視できる
というルールが得られます。やったー。なので、
ぬけがけ
は回文です。
マッカリヌプリかな。
は回文です。どうだ参ったか。
是非みなさんも推移律で遊んでみましょう。
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前回書こうと思ってて忘れていた回文(?):
忙しない無為な幸せ。 [せわしないむいなしあわせ]
どのへんが回文なのかというと、これを逆さから読むと「せわあしないむいなしわせ」となる。これは「せわーしない……」と長音を使って読まれるから、その長音を無視すると「せわしないむいなしわせ」と標記されて、回文になります。……うーん。長音はよく分からないんだよねえ。
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これで一旦ルールをこねくりまわすシリーズはおしまいです。ほんとは倍ぐらい書くことがあったんですが、疲れるのでやめた。
どうでもいいけど最近いろいろと忙しいです。忙しないです。更新頻度が落ちるかもしれませんがご了承下さい。無為な幸せに陥らぬよう気をつけねば。深い意味なし。